「コーチ」のこれから

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世の中にコーチは星の数ほどいる。
そして最近はコーチの養成機関も数え切れないほどある。

私も星の数ほどいるコーチの中のひとりだ。

クライアントからしてみれば、どのコーチが本当に「良い」のか「自分に合う」のかなんて中々わからない。コーチは年齢も性格も得意分野も、所有資格もセッションスタイルも様々だし、実際に話してみないことには判断がつかないことも多いだろう。

そんな中、コーチの数もコーチングスキルの需要も増え続け、「コーチではないけどコーチングできる人」も増え、業界内地図は混沌を極めてきている。

これからのコーチングは、どうあるべきなんだろう。
これからのコーチは、どうあるべきなんだろう。
コーチとしての自分は、どうあるべきなんだろう。

そんなことが頭をよぎる瞬間が増えてきた。

断片的にTwitterで呟いてはいるけど、せっかくなのでここに私なりの考えとビジョンを書いて自分の頭の中を整理することにする。

「コーチング」と「コーチングスキル」

コーチングという概念でおおよそ共通しているテーマは「質問を主体としたコミュニケーションにより相手の行動変容を促す」という点だ。

傾聴して共感するだけではない。具体的に教えアドバイスすることではない。ただ、そうしたコーチングの基本スタンスがかえって枷になることもある。それはビジネスでの現場だ。

たとえばマネージャーが知識ゼロの部下にその領域でコーチングをしたとして、部下からしたら「何がわからないのかがわからない」という状態であり、コーチングは機能しない。

もしくは部下自身のビジョンが自身のチームのビジョンと重ならない場合、部下のビジョンへの到達を後押しすることがチームの成果に繋がるとは限らない。

つまり、純粋な第三者ではなく。ポジションパワーを持っている立場で純粋なコーチングをやろうとしても、かえって不都合が生まれてしまうのだ。

そこで「コーチング」ではなく、コーチングスキルを取り入れた「コーチング型マネジメント」が流行るようになった。それを習得した上司は、コーチとしてではなく、上司としてコーチング的な関わり方をすることができる。

自らの主体性を引き出してくれて、管理や教育もできる上司の存在は、部下からすればかけがえのない存在だ。そうした管理職がひとりでも多く増えることで、救われ、輝くビジネスパーソンの数は計り知れない。

それはいわば「コーチングスキル」の普及だ。それは本当に尊くて素晴らしいことだ。ただ、「コーチング」の普及からは決定的にズレる。

例えば、一流シェフが自ら手掛けた料理がコーチングなら。一流シェフの料理を生み出すためのスキルやテクニックがコーチングスキル、というイメージだ。

今はこれらがいっしょくたにされて「コーチング」というひとことで済まされることが多い。

「それはコーチングの普及をめざしているのか?コーチングスキルの普及をめざしているのか?」という観点をもって業界情報に触れることが、今この現状を整理する第一歩なのかもしれない。

「コーチングスキル」を使えてもプロのコーチではない?

そうは言っても、コーチングスキルの普及とコーチングの普及は、世の中にとってどちらがより重要かと天秤にかけることではない。比べるまでもなくどちらも重要だ。(個人の取り組みベースではポリシーをもって優先順位をつけてもいいと思う)

ただ、プロのコーチの在り方に関して言えば、コーチングスキルを使いこなすことができ、鋭い質問をすることができるだけでは、プロとしては不足なのではないか、ということだ。

個人的な考えでは、コーチはプロのパートナーであるのが理想であると考えている。

非常に抽象的な表現をしてしまったが、生き方、考え方、プレゼンス、知識教養等が磨かれていること。在り方そのものが磨かれている存在こそがプロのパートナーなのではないだろうか。その上で高いコーチングスキルを持つのが、プロのコーチなのだと思う。

とても漠然とした話だ。正解は人によって違う。というか、そもそも正解なんてない。生きているあいだに理想に到達するかもわからない。クライアントのゴールへ伴走するのがコーチだが、コーチ自身はある意味ゴールのない道を走り続けることになる。

それでも目指す価値のある、尊い道なのではないだろうか。

コーチはこれからどう在るべきなのか

あまり「こうあるべし」のような押しつけは好かないが、自分に対する現時点でのアンサーとしてあえて強くここに書きたいと思う。

ICF認定資格を取得していること

資格が取れればいいというものではないし、資格だけでコーチの力量は測れない。それは重々承知だが、コーチングレベルに関して唯一、すべてのコーチが共通言語で明確に語ることができる指標がICF認定資格だ。
そして昨今さまざまなコーチが増えているため、コーチの信頼性を測るにおいて今後欠かせない指標になると考える。

倦まず弛まずセッションを続けること

これは私が尊敬する、ベテランのメンターコーチの言葉だ。
調子がよかろうとわるかろうと、セッションを続けること。コーチングと向き合うことをやめないこと。コーチ業は参入障壁が低いため誰でも始められる仕事であり、そのぶん簡単に撤退できてしまう仕事である。
それはつまり、辞めないことが難しいということ。「コーチ業のフィールドに立ち続けること」がそのままコーチとしての奥行きに繋がると確信している。

コーチングと関連性のない知識へ貪欲にアクセスすること

コーチングに携わる人は多かれ少なかれ「ヒト好き」なので、心理学的な知見のインプットやコミュニケーションスキルやコーチングスキルの向上に多くパワーを割くことが多い。ただ、私たちコーチが接する人々は、それぞれの複雑な環境の中で生きている。様々なビジネススキル、学問、教養、トレンドをより広く捉えて吸収していくことで、コーチとしても人としても深みが増していくように思う。

これは現時点での私の答えだが、時が進むにつれ、自分が成長するにつれて理想の形も変化していくだろう。

しかし自分のめざす「コーチ像」の解像度を上げ、そこへ手を伸ばし続けることは、きっとコーチ自身の人生も豊かなものにするに違いない。

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