バランスのとれた人生

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お金の投資において「投資先を分散しなさい」というのは当たり前に言われることだけど、時間の投資において投資先を分散するという考え方はあまり意識しない。

きっと気がつけば仕事にばかり投資しているという人も多いだろう。そもそもフルタイムで働いている社会人は、およそ1日の3分の1の時間を会社の仕事に投資することを雇用主と契約している。そもそも多くの人は、子供時代や老後を除けば、人生の1/3は仕事へ投資することになるのだ。

そして健康を保つために6〜7時間の睡眠をとるとすれば、さらに人生の約1/3は睡眠に投資されることになる。

では残りの1/3、1日にして約8時間の時間を、私たちは一体何に投資しているのだろうか。

もしこの時間もまるごと「仕事」に投資しているなら、少し見直してみるのもいいかもしれない。

私自身、実はこの一年間は時間の投資先の見直しをテーマに過ごしている。

それはこれまで、仕事のことしか考えてこなかったから。自分の望むワークキャリアのためだけに行動してきたから。たぶんそれは、ハイリターンであり、ハイリスクなことだったのだ。コロナウイルス感染症の拡大に伴って世の中の動きが軋んだとき、強くそう感じたのである。

ではもし限られた時間のなかでバランスをとりたいと願うなら、どのようなことに留意したらいいだろう。私が行き着いたのは、人生100年時代について語られている『LIFE SHIFT』で紹介された3つの無形資産だ。

生産性資産:主に仕事に役立つ知識やスキル

活力資産:健康や、良好な家族・友人関係

変身資産:変化に応じて自分を変えていく力

『LIFE SHIFT』 リンダ グラットン (著), アンドリュー スコット (著), 池村 千秋 (翻訳)

これは人生が100年続く場合、その人生をより充実したものにするための助けとなる「形のない資産」だ。

どれが潤沢で、どれが欠乏しているかは人それぞれだろう。充実させたい資産を意識して時間を使うのも良いし、バランスよく配分するのも良い。

「私にいまもっとも必要な資産はどれか?」

「自分の幸福度を100%にするためにもっともインパクトのある資産はどれか?」

「いま、この時間はどの資産のために投資しているのか?」

そんな自問自答をするだけでも、バランスのとれた人生への一歩に繋がりそうだ。

そして、個人的にこれら3つの無形資産への投資に加えて考慮したいのは、「有形資産を充実させるための投資」である。どれほど理想を謳っても、それを実現するために先立つものがなくてはどうしようもない。古今東西、有形資産を無視することはできないのである。

有形資産が欠けると、無形資産が伸び悩む。無形資産が欠けると、有形資産が腐る。

きっとバランスがとれた人生とは、何かが大きく損なわれたまま放置されることなく、それぞれが少しずつでも成長しながら、幸福に向けて相互作用していく人生なのだろう。

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